2013年1月30日水曜日

She was beautiful

いつまでも子供のままで
あのときの言葉を今日も噛み砕いて
眠る

いつまでも子供のままで
あのときの笑顔をずっと忘れないで

She was beautiful


優しく癒される曲。
歌詞は短いが、それを繰り返し、ゆったりとしたテンポで5分半を超える。


注目すべきは曲名にもなっている
「She was beautiful」というフレーズ。
過去形で主語は女性。

女性+「いつまでも子供のままで」
というフレーズも含んで考えると
女性はかつての「母親」だと思われる。

軽くネットで調べてみたが、五十嵐の母親に関する情報は得られなかった…。
父親は確実にいるみたいだが。
「she」は母親だとして考察をすすめる。

いつまでも子供のままで
あのときの言葉を今日も噛み砕いて
眠る

子供の頃の母親の言葉を思い出して、そして眠りにつくという。
噛み砕くという表現を使っている。取り込んで一体化しているかのよう。
ちなみに睡眠薬を噛み砕く輩は結構いるらしい。関係あるかは謎。

愛情に飢えているのか、安心感を求めているのか。
共通していえるのは「満たされていない」ということ。
それに対しての自省だったり恨みだったりはこの曲にはない。

「不眠症」てな曲も出しているように、彼は眠ることに苦労している(いた?)ようだ。
SonicDisorderにも「君の胸に抱かれたら少しは安らかに眠れるかな」っていうのがあった。
その彼が「眠る」といっているんだから よく眠れるんだろう。

いつまでも子供のままで
あのときの笑顔をずっと忘れないで

非常に温かい歌詞。
「あの時の笑顔」は「子供の頃」の「僕」or「母親」
…どちらでもいいですね。

「子供のままで」がでてくるのは2回目。
実際には歌詞を繰り返すので何回もでてくるが。

子供時代を懐かしんでいる。
懐かしんで、その先はない。

自省もなければ、哀憐も恨みもない。
布団の上で朦朧とする意識の中で書いたような歌詞だ。
She was beautifulというフレーズに、深い意味はなさそう。
ただ単に子供時代の母親を思い出して懐かしんでいる。

Syrup…というか五十嵐は作るペースが早い。
そして作って即発表というわけにはいかず、懐にためている曲が多い。
昔の曲が後になって発表されることもあり、製作時期を見極めるのは難しい。

もしこの曲がアルバムCOPYの発売年に作られたとしたなら、五十嵐は当時26歳くらいである。
いい歳した大人が、寝る前に母親のことを思い出すってなんとも言えない。
マザコン、と言いたいわけではない。
私だけかもしれないが、このくらいの年齢の人から「母親」という単語がでてくると、
育ててくれた感謝とか、苦労させてしまったことに対する謝罪とか、大人らしい言動を期待してしまう。
ところが、この曲は「昔の母親思い出して寝るー」とそれだけで終わっている。
別にそれが悪いことだとも、恥ずかしいことだとも思わない。
ただ少し私の中で呆気にとられたところがある。

この純粋さがSyrup16gの魅力なのかもしれない。

2013年1月26日土曜日

COPY

2001.10.5 ¥2400 

wikipediaによると、Syrup 16gのインディーズ1stフルアルバム。
前作のFree Throwの入手が困難だったため、今作が入り口だった人が多いのでは。
全10曲収録。
恐らくSyrup16史上最もネガティブなCD。

1,She was beautiful

2,無効の日

3,生活

4,君待ち

5,デイパス

6,負け犬

7,(I can't)Change the world

8,Drawn the light

9,パッチワーク

10,土曜日

真空

神経擦り切れている様な
音が聴こえそうな夜は
最低のやり方でどうにか
生きてこれた事にすがる

真空に
風が突き刺さっていく様に
真空に
赤い血が吹き出す様に
曲がる

懸垂二回以上出来ない
長距離走るの嫌い
先生あなたが言いたい事
本当は僕解ってたんです

(Crash T.V. with the bat of steel)

真空に
風が突き刺さっていく様に
真空に
赤い血が吹き出す様に

真空に 真空に


明日を落としても がいい終わり方をしたのに
ジャカジャカうるさい曲。
挑発的な歌詞も相まって切れ味バツグン。

神経擦り切れている様な
音が聴こえそうな夜は
最低のやり方でどうにか
生きてこれた事にすがる

SonicDisorderでパニック障害と関連があるみたいなことをいったが、この曲も関係ありそうだ。
不安障害などストレスがかかり精神的に負担がかかっている時に聴覚過敏になることはよくある。
その不快感を何かで気を紛らわすことは自然な行為だ。
「最低のやり方で~」は、経験論的な考えだろうか。
ここまで生きてきたんだから大丈夫だろうと。

懸垂二回以上出来ない
長距離走るの嫌い
先生あなたが言いたい事
本当は僕解ってたんです

サビを飛ばして…。
深みがない歌詞なんだけど、素直で好き。
「先生」がでてきた。
先生はSonicDisorderにもでてきたな。
あの時は「クスリをくれよ」から察するに医者だったけど、この「先生」は誰だろう?
懸垂できない長距離嫌いっていうのは学校の体育の授業っぽいなと思った。
だったら、学校の先生のことだろう。
「言いたい事」は伝えなかったことか、伝えようとしてうまく伝わらなかったことか 分からない。
ただ主人公くんは 先生の気持ちを察していたらしい。

(Crash T.V. with the bat of steel)

直訳すると 「金属バットでテレビを壊せ」
壊せ!壊せ!と連呼の後イエイイエイイエーイ!と絶叫。まさに狂気。
Syrup16gの中で「テレビ」という単語は何回か出てくる。すべて卑下した感じ。
特別メッセージ性のあるバンドではないので、反テレビ反メディアとかはない。
純粋につまらないからつまらないと言ってるだけ。
そう考えると、この曲の「テレビを壊せ」は別の意味があると思われる。

私が思うのに、これは純粋なる破壊衝動だ。
破壊衝動(はかいしょうどう)とは人間に様々な事柄が原因となって主に発作的に沸き起こる衝動であり、
そこから物事を破壊したり暴れるといった行為を起こすという欲求に駆り立てられるという状態になる。
(wikipedia参照)
ストレスに耐え切れず人や物にあたってしまったことは誰にでもあると思う。
とはいえ、バットでテレビを破壊したいと思うくらい暴れたいときなんて そうそう無い。
それほどの重圧を背負っていることがわかる。

真空に
風が突き刺さっていく様に
真空に
赤い血が吹き出す様に
曲がる

「真空」で辞書を引くと、3つの意味があった。
  • 一つは「空っぽ」「周りの影響を受けないような状態」のこと
  • もう一つは科学的な「圧力が低い状態で云々」ってやつ。これは理解も説明もできないや。
  • 最後は、仏教用語としての真空。
仏教の「くう」とは、 まー宗派とかで若干異なるんですが、何もない実態がない、そんな感じですかね。 この概念は仏教の思想の根本で もっと深い意味があるらしいんだけどこれも理解説明できないや。 この3つはそれほど意味が異なってない。普通に「空っぽ」と考えればいい。 破壊衝動をwikipediaでみていたら秋葉原通り魔事件が例としてあげられていました。 破壊衝動が抑えられなって、その限度があまりに超えすぎると ああいう事件になってしまう。 被害者は加害者と無関係の無差別殺傷事件でした。 この無差別、無関係っていうのが「真空状態」ではないかと思いました。 互いに作用しない関係だったのに、突然壊れる。 真空に風がはいっていったり、血が吹き出したりするのは 無差別殺傷と似たイメージを受けます。 平和な世の中が突然混沌にかわる。 この曲の主人公は加害者側でかなり危険です。平和をぶっ壊したいと言ってるわけですから。 まあ、テレビに向かってるのでひとまず安心ですけど…。 とまあ個人的な見解。 この曲もまた聞くときには 「深淵を覗きこむ時、深淵もまたこちらを覗いている」を忘れてはいけない。 Syrup16gは落ち込んでいる人に届きやすい曲が多い。 この曲もそのうちの一つであるが、この曲の場合 ストレートで過激でアップテンポの曲調なため、一部の人達には刺激的すぎてダメだと思う。 だけどいずれ共感できるようになった時のためのクスリ、ツールとして憶えておくといい。 ストレスが溜まって溜まってしょうがないとき、 この曲をきいて、もしくは歌って、 一緒に「Crash TV~」と叫べたら 少しは肩の荷が下りるんじゃないかな。

2013年1月19日土曜日

明日を落としても

つらい事ばかりで
心も枯れて
あきらめるのにも慣れて

したい事も無くて
する気も無いなら
無理して生きてる事も無い

明日を落としても誰も
拾ってくれないよ
それでいいよ

機械みたいな声で
サヨナラされて
それでも何か傷ついて
誰も愛せなくて
愛されないなら
無理して生きてる事も無い

そう言って
うまくすり抜けて
そう言って
うまくごまかして
そう言って
楽になれる事
そう言って
いつのまにか気付いていた



翌日で「あきらめないほうが 奇跡にもっと近づくように」と叫んでいたはずなのに
「無理して生きてる事もない」とまるで正反対のようなことを言っている。



「そう言って」は
Do you wanna die?(死にたいのか?)とあるように
死を連想する言動のことだと思う。
 
それは自傷行為だったり、ただ単に「死にたい」と呟くことだったり、
または死にたいことをアピールすることで同情誘うことかもしれない。
 
いずれにせよ、そのような言動をすることによって
うまくすり抜けられたり、 うまくごまかしたりして楽になれる。
 
  
じゃあ本当に
Do you wanna die?(死にたいのか?)
と問われたらどうなんだ?というのが本題だろう。
 
 
「死にたい」「消えたい」
と思うことで気が楽になったことは多くある。
 
仮想自殺。死にたいふりをすることで
すっと楽になれるが
それが癖になると本当に死にたいんじゃないかという思いに支配されることがある。
 
 
でも本当に死にたいの?
 
YES→なら無理して生きてることないさ
NO→まだやれるんじゃない?
 

 
精神不弾力の落ちこぼれの鬱曲みたいに言われることもあるけども
甘えてんじゃねえ!という強い意思も感じられる曲。
 
「明日を落としても」というタイトルも
死んでも誰も気にかけてくれないんだろうなという悲壮な見方と
明日がダメでもまだ…というポジティブな見方ができる。
 
 
FREE THROW
1曲目の「翌日」
その歌詞の中で「明日に変わる意味を」というフレーズがある。 
 
それって「明日を落としても」につながってると思うんだよなぁ。
つまり、明日がダメでも翌日。 

2013年1月15日火曜日

Honolulu★Rock

冷たい人だねって君は
背中向けた
僕はむしろ君の太陽に
なろうとしてた

いっぱい旅行してみたけど
ハワイには行かなかった

赤の他人が如何に
相手を想いやるか
その戦いにおいても
僕は敗者だった

いっぱい旅行してみたけど
ハワイには行かなかった(なんで?)

多分心が通じ合うなんて
一生無いから
およそ君が欲しがってると
思われる
軽いスリルと安心感を
僕なりの方法で
探してみるから

冷たい人だねって君は
背中向けた
僕はむしろ
君の太陽に
なろうとしてたのに

いっぱい旅行してみたけど
ハワイには行かなかった
(なんで? どうして?)


これもまたSyrup16gにしては珍しい明るい曲調。
FREE THROWにしか収録されていないので、入手が困難だった時代では超レア曲だった。
でもファンからの支持は薄く、ライブでもやらなかった(そうだった)ので、全く人気がなかった。
入手が楽になった今でも評価は変わらず…。

「」の存在感。

歌詞中でハワイを連呼しているのに、曲名にはハワイじゃなくてホノルル。
これは響きの問題だろうか。

「僕」は作詞の五十嵐で「君」は文脈から推測するに「元恋人」だろう。

冷たい人だねって君は
背中向けた
僕はむしろ君の太陽に
なろうとしてた

「恋人」は「君は冷たい人だね」と言うが、
「僕」は君の「太陽」になるべく頑張ってた。

赤の他人が如何に
相手を想いやるか
その戦いにおいても
僕は敗者だった

歌詞のまんまだ。「僕」は赤の他人を想いやることに長けていなかった。
というかこれは恋人?を赤の他人と言っているのか?

多分心が通じ合うなんて
一生無いから
およそ君が欲しがってると
思われる
軽いスリルと安心感を
僕なりの方法で
探してみるから

心が通じ合うことなんて一生無いと言い切っている、この生真面目さが皮肉っぽくて最高。
考察のしようがない真っ直ぐな明確な歌詞。
こんな軽い言い方してると「冷たい人」と言われても仕方ないよなあ。

いっぱい旅行してみたけど
ハワイには行かなかった

ハワイというと新婚旅行の定番。
結婚までいかなかったんでしょうね。
この後の(なんで~どうして~)ってのは笑わせにきてるのでしょうか?爆笑なんですけど。

「SonicDisorder」と「明日を落としても」という名曲に挟まれた
愚痴日記のような曲。これがSyrup16gクオリティなのか…。

2013年1月12日土曜日

SonicDisorder

思考は無化し
言葉は頼りなく
薄ぼんやり誰かの
声を聴いてる

生きているのが
怪しく思える程
僕は何故か
震えている

いつかは花も
枯れる様に
壊れちまったね
ここは恐いね

卑怯な事に
あなたと戯れた
甘い月日はリアリティ
無くしている
左ききの
あの目がどんな風に
この世界を
見たのかを知る

君の胸に
抱かれたなら
少しは安らかに
眠れるかな

人は一人
逃れようも無く
だから先生
クスリをもっとくれよ


一番好きな曲だ。
Syrup16g好きからの評価も高く、ライブでは定番だったらしい。(私は行ったことない)
後にアルバム「delayedead」でリメイクされた。

この曲の特徴はなんといっても1分超のイントロ。
この部分が好きで好きで何度も聞き返した。
そこから今のポストロック好きに繋がった。

イントロを超えて始まる歌詞だが、
初めて聴いたときは、何を言ってるんだかサッパリわからなかった。
繰り返し聞くことで少しずつ分かっていったのだが、
サビのところがどうしても分からなかった。
歌詞カードをみたときの、感動衝撃はアハ体験と似ていると思う。


この曲のタイトルは「Sonic Disorder由来はパニック障害 英名「Panic Disorder」と言われている。
本人の発言なのか、ネットでのただの噂なのか 正しいことは分からない。
ただ言えるのは、精神病関連の言葉をモジるのはこのバンドではよくあるってことだ。
もし、関連性を認めずに直訳すると、
「Sonic」(音、音速)「Disorder」(障害)なので、音の病気、音による病気といった感じか。
どちらにせよ、Disorderは残るので病んでいることはわかる。
ここではパニック障害に関係があるとみて、考察をすすめる。

定型的なパニック障害は、突然生じる「パニック発作」によって始まる。(Wikipediaより)
パニック発作の主な症例として、動悸、呼吸困難、汗をかく、身体の震え、非現実感
そしてそれによってもたらされる「死ぬのではないか」という恐怖、不安があげられる。

思考は無化し
言葉は頼りなく
薄ぼんやり誰かの
声を聴いてる

これは主な症状である「非現実感」に相当する。
頭にモヤがかかった感じ、ふわふわした感じ、もう一人の自分を外から見ている感じ
などと表現されることが多い。

生きているのが
怪しく思える程
僕は何故か
震えている

身体の震えも主な症状のひとつである。


君の胸に
抱かれたなら
少しは安らかに
眠れるかな

「君」は誰か。もしかしたら人ではないかもしれない。まだ言及しない。
その君に抱かれたら安らかに眠れそうってことだから、今は全然安らかじゃないんだろう。

パニック障害は、従来、強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつとして、
不安神経症と呼ばれていた疾患の一部である。(wikipediaより)
不安で眠れなくなることはよくあるね。

人は一人
逃れようも無く
だから先生
クスリをもっとくれよ

これほど悲観的な歌詞はないだろう。
一人っきりで誰も助けてくれない、逃れようもない。
クスリをくれよってのは、為す術がないともとれるし、何がなんでもすがりたいとも受け取れる。


このように、パニック障害と関連付けて考えると符合する点がいくつかあることが分かる。
さて、サビ。

いつかは花も
枯れる様に
壊れちまったね
ここは恐いね

「~ね」とまるで他人事のように言っている。(もしくは本当に他人のこと?)
これも「非現実感」を表しているようだ。
「花も枯れるように」が意味することは、凋落だろう。
作詞の五十嵐は真面目な子供だったらしい。部活のキャプテンや生徒会副会長も経験したそうな。
その彼が内向的になってた時期があった。その時期を曲にしたのがSonicDisorderなのかな。

卑怯な事に
あなたと戯れた
甘い月日はリアリティ
無くしている

注目すべきワードは「あなた」だ。私は2つの可能性を考えた。

この歌詞の主人公が過去につるんでいた友達もしくは恋人説
→彼らと戯れた日は甘く(つまりヌルい)、またそのような日々を過ごした実感がなくなった

「あなた」がパニック障害説。
→パニック障害と一緒にいるせいで生きてる実感がしない、

どちらにせよ、ネガティブで自虐的だ。

左ききの
あの目がどんな風に
この世界を
見たのかを知る

左利きという どうでもいい初情報が出てくる。
「左きき」というワードは言葉通りなのか、何かを暗喩しているのか。
わからん。うーんわからん。
ただこの分からないのが楽しい。一筋縄ではいかない深みがいい。
ぽけーっとして聞くのもいいし、考えながら聞くのもいい。

SonicDisorderはパニック障害患者のどうしようもない無力感を歌った曲かなーと思っている。
私はパニック障害になったことはないし、接点もない。それでも共感できる。

誰も助けてくれない孤独感、どうにもできない閉塞感。
状況は違えど似たような経験をしたからだ。
似た境遇を経験した(or経験している)者として同情、縁、つながりを感じる。
そのつながりが心の支えになる。

狂ってたようにSyrup16gを聴いてたときって、それに救われていたんだな。

2013年1月9日水曜日

翌日

嘘から抜け落ちた
裸の様な目で
美しいままの想像で

ふがい無いまま僕が
受け入れるべきもの今
形に起こせないすべて

急いで 人混みに染まって
あきらめない方が 奇跡にもっと 近づく様に

喧噪も 待ちぼうけの日々も
後ろ側でそっと 見守っている 明日に変わる 意味を


Syrup16gは一発目にコレを持ってきた。

Syrup16gを聴き込んだ人ならわかると思うが、Syrup16gが評価されているのは暗い曲ばかりである。その気色悪さからメンヘラ御用達バンドなんて言い方をされることもある。
そういう先入観を持った人達がこの曲を聴くと、このバンドのことをちょっとだけ見直すだろう。

あきらめない方が 奇跡にもっと 近づく様に

この一片だけをみてわかるように翌日は前向きで明るい曲である。
それも狂気的な明るさでなく、普通の明るい曲調で、凝った歌い方でもなく、純粋な気持ちが伝わってくるイイ曲だ。

純粋と表現したが、Syrup16gは暗喩(メタファー)や言葉遊びを多用するスタイルで、歌詞をそのまま受け入れるのは早計だ。
しかし、翌日ではパッと見る限りそういう表現は見つからない。固有名詞もない。
私はこの歌詞をストレートに受け取ることにした。

翌日の歌詞はわかりづらい。
主語述語がはっきりせず、抽象的でしっくりこない表現が多い。

嘘から抜け落ちた
裸の様な目で
美しいままの想像で

はじめの一節でもう純粋な感じがする。
「嘘から抜け落ちた」が「裸の様な目」にかかっているとするなら
きっと何かバイアスかかってみていたものがなくなり、裸、ありのままの目で…ということになる。

「美しいままの想像で」は幸せバイアスかかっている理想という捉え方もできるし、それとは別に「想像でもイージャナイ(・∀・)」的な開き直りの捉え方もできる。

ふがい無いまま僕が
受け入れるべきもの今
形に起こせないすべて

「ふがいない僕」という主人公がようやくでてくるが、これはおそらく作詞の五十嵐のことだろう。
「受け入れるべきもの今」は「べき」という表現が気になる。
他に選択肢がない、「当然の義務を仕方なく受け入れる」的な諦観と
それと知りつつそれを受け入れる覚悟も感じられる。
「形に起こせないすべて」は言葉のままだと思う。
物ではなくモノ。感情や決意など。


そしてここからサビに入る。

急いで 人混みに染まって
あきらめない方が 奇跡にもっと 近づく様に

人混みは一般人のことだろうか。五十嵐は後に出す曲で、そういう人達を「雑踏」と表現した。
それに「染まって」というのだから、「一般人になって」ということだろうか。
これは今の「ふがいない僕」が集団に馴染めない痛い奴のようにみえる。

後の「天才」という曲では
”遊ばない カラまない 力合わせたくない”
「汚れたいだけ」では
”小学5年から 人生なめくさってんだ”

という表現がある。これをそのまま信じるならば、作詞Voの五十嵐は自閉症の子供で 人付き合いが苦手で、昔から孤独感を味わってきたのではないかと思う。
違和感、疎外感が怒りになり、それが社会に向かっていくのはわりとよくあることである。
きっと彼は、その社会への怒りが、自分とは違う普通の人に向かい
人混み
という突き放した言い方になったのではなかろうか。

次の「あきらめない方が 奇跡にもっと~」という言い方は、こういう人が言うと皮肉っぽい。
 でも、前の節で

受け入れるべきもの今
形に起こせない”すべて”

と言っている。
人混みになるべく すべてを受け入れるしかない…という覚悟が感ぜられる。

喧噪も 待ちぼうけの日々も
後ろ側でそっと 見守っている 明日に変わる 意味を

最後の節。
「喧噪」とは騒がしいことである。
「都会の喧噪」 を離れて~という言い方はよくみる。
ここでの喧噪とは、まさしく「人混み」のことで、
待ちぼうけはそれと正反対の孤独のことだろう。
【これからの自分(人混み)も、これまでの自分(孤独)の日々も】

明日に変わる意味とは、曲名翌日でしょう。
 明日と翌日は微妙に意味が異なります。

「明日」は、今日を基準に 明くる日(日付的に次の日)もしくは近い未来。
「翌日」は、基準日の次の日。 

受け身のまま訪れる次の日ではなく、基準を超えて訪れる次の日という表現のほうが洒落ていて前向きだ。
 

後ろ側でそっと 見守っている

明日がくると、今日は過去になる。
現在というのが前に進んでいるということなら、過去は後ろにあるものだ。

喧噪も待ちぼうけの日々も過去で見守っている。
見守っているという言い方に敵意は感じない。

それは、人混みに混じる日も、孤独だった日々も、すべて過去になり
決して悪い思い出ではなかったということを意味することではないだろうか。


この曲、この歌詞は
孤独な自分がすべてを受け入れて社会に溶け込んでいくことと、
それすらも過去になる翌日を歌った未来の未来の曲であることを示している。
という結論になった。

考察を要約すると、

嘘から抜け落ちた
裸の様な目で
美しいままの想像で
まぁ難しく考えず楽に考えてよ 

ふがい無いまま僕が
受け入れるべきもの今
形に起こせないすべて
だらしない僕はすべてを受け入れますよ

急いで 人混みに染まって
あきらめない方が 奇跡にもっと 近づく様に
みんなに溶け込みますよ
努力したほうがいい結果に近づきますもんね 

喧噪も 待ちぼうけの日々も
後ろ側でそっと 見守っている 明日に変わる 意味を
昔のことも、これからのことも、
すべて僕の糧になるでしょうね
僕が言ってるのは明日じゃなくて翌日ですから


ってことになったけど、考察はいろいろだからね。
少ししたらまた違う見方ができるかも。
    

Free throw

 1999.12.25 ¥1000


Syrup16gのインディーズ1枚目にリリースされたアルバム。
公式によると、このCDが発売の前に4つのデモテープ配布(おそらく無料)があったらしい。
その音源はいずれも後にCDに収録された。
ということで、正しい言い方は初のCD音源ということになる。
長らく廃盤になっていて入手が困難であったが、2010年10月27日に他に廃盤になっていたアルバム・ミニアルバムと共に再発され、問題は解決された。
一時期ヤフオクかどこかで1万近くの値を張っていたのをお手頃だという書き込みをどこかで見たような見なかったような…。

5曲収録のアルバムで、「翌日」、「SonicDisorder」、「明日を落としても」はファンのでも屈指の人気を誇る。

1,翌日

2,SonicDisorder

3,Honolulu★Rock

4,明日を落としても

5,真空

CD別 考察

考察は基本的に歌詞に焦点を当てたものが多いと思います。
音楽についての知識は素人なので、この曲は「明るい」とか「暗い」とかその程度です。

★アルバム名をクリックで詳細ページ★

Free throw

翌日
Sonic Disorder
Honolulu★Rock
明日を落としても
真空

COPY

She was beautiful
無効の日
生活
君待ち
デイパス
負け犬
(I can't)Change the world
Drawn the light
パッチワーク
土曜日

coup d'Etat

My Love's Sold
 神のカルマ
生きたいよ
手首
遊体離脱
virgin suicide
天才
ソドシラソ
バリで死す
ハピネス
coup d'Etat
空をなくす
汚れたいだけ


delayed


センチメンタル
Everything is wonderful
Reborn
水色の風
Anything for today
サイケデリック後遺症
キミのかほり
Are you hollow?
落堕
愛と理非道 

HELL‐SEE

イエロウ
不眠症
Hell-see
末期症状
ローラーメット
I’m 劣性
(This is not just)Song for me
月になって
ex.人間
正常
もったいない
Everseen
シーツ
吐く血
パレード

パープルムカデ

パープルムカデ
(I'm not) by you
回送
根ぐされ

My Song

My Song
タクシードライバー・ブラインドネス

イマジン
テイレベル

リアル

リアル
うお座

Mouth to Mouse

実弾(Nothing's gonna syrup us now)
リアル <album Ver.>
うお座 <album mix>
パープルムカデ <album mix>
My Song
Mouth to Mouse
I・N・M
回送 <album Ver.>
変態

希望
メリモ
ハミングバード
Your eyes closed


delayedead

クロール
Inside out
Sonic Disorder
前頭葉
HEAVEN
これで終わり
翌日
I Hate Music
もういいって
真空
エビセン
Breezing
Good-bye My Self
明日を落としても
きこえるかい

静脈

Reborn
翌日 (Free Throw)
I・N・M
生活
神のカルマ
パープルムカデ
Sonic Disorder (Free Throw)
Inside out
センチメンタル
My Song
水色の風
ex.人間
明日を落としても (Free Throw)
Your eyes closed
向日葵 (syup16g02 CT) / bonus track
愛と理非道 (demo) / bonus track

動脈

Everything is wonderful
リアル (Single ver.)
天才
負け犬
正常
落堕
無効の日
サイケデリック後遺症
(I can’t) Change the world
AnotherDayLight (coup d’Etat LP)
coup d’Etat
空をなくす
真空 (Free Throw)
She was beautiful
汚れたいだけ
You Say ‘No’ (demo) / bonus track

syrup16g

ニセモノ
さくら
君をなくしたのは
途中の行方
バナナの皮
来週のヒーロー
ラファータ
HELPLESS
君を壊すのは
scene through
イマジネーション
夢からさめてしまわぬように








概要と自己紹介

ブログの趣旨 

Syrup16g(シロップじゅうろくグラム)についての私的考察。

 経緯、自己紹介

Syrup16gを知ったのは解散の直前だった。
当時私は、BUMP OF CHICKENを入り口とし、J-ROCK、いわゆるロキノン系に小ハマりしていた。
また、今ほど知名度がなかったニコニコ動画というマイナー空間にいることにも興奮して
ニコニコ動画のタグ 【作業用BGM】を好んで視聴していた。
そして、その時に出会った。
初めて聞いたのは 
汚れたいだけ だった。
今でこそSyrup16gの魅力はなんとなくだが言葉にできる。
だが、その時は
「なんかイイな」 「耳障りがいい」
程度の感じだった。

やけに耳に残る。
気がついたら作業用BGMなのに、シークバーを動かして何度も聴いていた。

そして、Syrup16gのヘビーローテーション。
気がついた時には驚いた。
今までは雑多に音楽を聞いていたが半年近くSyrup16gしか聞いていないことに
しかも、CDも買ってなかったしLIVEになんても当然行ってない。
急いでベストアルバムっぽい「動脈」「静脈」を買ったことを覚えている。
それから中毒になってることを自覚して、他の音楽にも手を伸ばした。

Sonic Disorder」 のイントロ部分が気に入って、インストロック、ポストロックに惹かれ
ミュージックステーションや深夜にやってる音楽番組を見始めJ-POPの広さに触れ
深夜アニメ を見始めてアニソンに興味を持ったりして
少しずつSyrup16gから離れていった。 
といっても、一時期比率100~90%だったのが20~0%くらいに 落ち着いただけだけど。

あの頃と今の感覚の違いによって 聴き方や感じ方が変わった。
どう変わったかというと、単純に前より客観的になった。
正直、感動は減ったし、飽きた感じも多少。
それでも聴けばきくほど感じることや考えることがある。
それが頭の中では整理できない。
だからブログで一つ一つ、一曲一曲考えていこうと
思った。